USDAレポート概要
先週USDAは12月の需給レポートを発表した。搾油量が816,000トン減少し4670万トンとなったのに対し、輸出がこれを相殺する形で丁度816,000トン増加して2860万トンとなったため、USDAは2008-09年の大豆期末在庫予想を558万トンに据え置いた。USDAの期末在庫に関する業界予想幅は517万トンから585万トンで、平均550万トンだった。この大豆在庫データは需給均衡(ニュートラル)を示すものだったが業界予想に沿っており2008-09年には在庫積み増しがないことを反映している。しかし大豆在庫はコーンの動向により下ぶれする可能性もある。
製品に関しては、USDAは搾油量の減少をほとんど大豆ミールの国内消費の低下と大豆油の輸出減で相殺した。USDAは大豆ミールの国内消費予想を408,000トンおよび輸出を181,000トン引き下げた。大豆油生産の落ち込みは113,000トンの輸出減と45,400トンの非バイオディーゼル用国内消費減で相殺された。
USDAは米国、ブラジルおよびアルゼンチンの搾油量の減少により世界の期末在庫を若干引き上げた。USDAはアルゼンチンの大豆生産予想量を5050万トンに据え置いたが、ブラジルについては生産予想量を6000万トンから5900万トンに引き下げた。
アルゼンチンが大豆輸出税の軽減計画を否定
アルゼンチン政府は先週コーンと小麦の輸出税の引き下げを行ったが、大豆の輸出税軽減は考えていないとセルヒオ・マッサ官房長官が同国の日刊紙La Nacionに語った。国内の報道関係者間に大豆輸出税軽減の憶測があるのを受けて、マッサ長官はLa Nacionに現在そうした計画はないと語った。
同国では、政府が農業生産者に貯蔵在庫を売却するよう促すため大豆輸出税の軽減を計画しているとの憶測が流れていた。アルゼンチンの農業生産者は2007-08年産大豆を異常に高い比率で在庫として持っている。
農業地帯における今の時期の在庫量は通常300万トンであるのに対し、今年は約1000万トンに上る大豆がサイロやプラスチック袋に貯蔵されているとDow Jones Newswireは伝えている。今年の在庫は2007-08年の記録的収穫高の22%に当る。
10月のバイオディーゼル用植物油消費は増加、動物性油消費は激減
国勢調査局は米国におけるメチル・エステル(主としてバイオディーゼル)生産用の大豆油消費量が9月の112,000トンから10月には119,000トンに増加したと発表した。他の植物油――主としてパーム油とキャノーラ油――の消費量も増加した。しかし動物性油消費量が9月の55,800トンから10月には29,900トンに減少したため、バイオディーゼル生産はここ5カ月の最低水準に落ち込んだ。動物性油消費は2月以来の最低水準だった。
動物性油を原料とするバイオディーゼル生産の急落は、より厳格なバイオディーゼル品質規格が10月より導入され、これを脂肪酸メチル・エステルで満足させるのが難しくなったためと思われる。
国内のバイオディーゼル価格に基づく収益率が低迷していたここ数年間、燃料価格が米国より高い欧州にバイオディーゼルを輸出できたことが米国のバイオディーゼル産業界の事業継続を助成する一因となっていた。
人民元安は米中農業貿易に影響せず、中国への大豆輸出は好調に推移
最近の対ドル人民元安は米中の農業貿易に大きく影響していないとエド・シェーファー米国農務長官は述べた。中国中央銀行が為替レートを管理している人民元は2008年の最初の7ケ月間にドルに対して急速に上昇し、その後4ケ月間は横ばいで推移、12月にはここ5ケ月の最低水準に落ち込んだ。これにより為替市場では、低迷する輸出を活性化するために中国政府が緩やかな人民元安への誘導を図るのではないかとの憶測が生まれていた。
先週、米中戦略経済対話後に上海を訪問したシェーファー長官は、二国間の農業貿易が「堅調に推移しており」、現在まで為替は大きな障害にはなっていないと述べた。「今のところ為替が両国間の農業貿易に大きな影響を与える要因とは考えていない。戦略経済対話で協議したことは両国通貨の自由市場価値に基づいており、世界中を見ても、国の政府が通貨を操作したり、人工的価値を付けても、長期的には効果はない。したがって中国が今まで為替の上昇を容認してきたのは良策で、今後の動向を見守っていきたい」と同長官は述べた。
2007年に中国は日本を抜いて第3位の対米輸出国および米国農産物の最大輸入国となった。2国間の農業貿易の総額は昨年ほぼ200億ドルに上った。「世界の二大農業国として、我々は貿易関係を発展させる責任があると思う。我々が関係を強化するに伴い、障害の撤廃が始まり、両国間でのモノやサービスの自由な流れが見られるようになる」とシェーファー長官は付言した。
現在でも中国は大量の大豆の輸入を続けている。中国税関総局の公式統計によれば、世界最大の油糧種子の輸入国である同国の11月の購入量は10月比56%増の332万トンとなった。今年11ケ月間の輸入量は22.4%増の3414万トンに上昇したが、これは海上運賃が下がりCBOT(シカゴ商品取引所)の相場も下落したため、中国北部の搾油業者にとって国内産よりも外国産大豆を購入するほうがコスト面で有利になったことによる。
また12月の中国の大豆輸入量は前月の当初予想数量より9%増の293万トンと見込まれている。同国の商務省が当初予想を発表したが、政府統計が全ての輸入貨物を含んでいないので、実際の輸入量は予想を上回る場合が多い。中国は12月に22,000トンの大豆油、365,700トンのパーム油および48,600トンの菜種油を輸入する予定であると同省は述べた。さらに同月の大豆ミールの輸入量は39,300トンおよび菜種の輸入量は30,000トンと予想されている。
大豆コンプレックスは好材料となるUSDAレポートにより高値引け
大豆コンプレックスは12月11日、好材料となるUSDAの需給レポートに後押しされて高く引けた。1月豆先物は$9.92上げて$314.71;3月物は$9.46上げて$316.18;5月物は$9.37上げて$319.67で終了した。12月ミールは$11.46上げて$287.48;1月物は$9.15上げて$282.52;3月物は$7.61上げて$281.42で引けた。12月油は$19.18上げて$693.57;1月物も$19.18上げて$699.30;3月物は$18.96上げて$707.46で終了した。
シカゴ相場、需給及び統計に関する表・グラフ(pdf. file)はここをクリックして下さい。
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