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瀬良英介ニュースレター

瀬良英介の一般業界向け
飼料・畜産トピックス
2007年12月 (173)

 

大きめのブロイラー仕上げに高アミノ酸密度飼料は有用

ブ ロイラー飼料中のアミノ酸密度への反応をみるために雄雌混合ブロイラーを36日令から60日令の試験期間で二種類行い、供試鶏の成長成績、肉の歩留まりや 経済性に関しての報告があります。試験(1)では、ブロイラーに一般的な飼料給与プログラムにしたがったものを35日令まで与えています。試験飼料として は36日令から47令までをアミノ酸密度が高(H)、中庸(M)、低(L)というのと48日令から60日令までのアミノ酸密度が高(H)と低(L)で行っ ています。60日間の給与飼料処理として高・高(HH)、高・低(HL)、中庸・低(ML)、及び、低・低(LL)としています。試験(2)では、ブロイ ラーに一般的な飼料給与プログラムにしたがったものを1日令から47日令まで与えています。給与飼料処理として高(H)、中庸(M)、低(L)、及び、適 切以下(S)のアミノ酸密度として48日令から60日令まで与えています。

  試験(1)では、アミノ酸 密度を高・高(HH)にした区の累積飼料効率(1日令から60日令)が中庸・低(ML)と低・低(LL)飼料給与区に比べて4単位改善しています。ブロイ ラーで高・高(HH)を給与された全区は低・低(LL)を給与された区に比べ総胸肉歩留まり(イールド)が0.6%多かったのです。

   試験(2)では、ブロイラーで高(H)を給与された全区は、それぞれ、中庸(M)区、低(L)区、及び、適切以下(S)区に対して累積飼料効率(1日令 から60日令)が3単位、5単位、及び、6単位低くなり、腹脂肪割合(%)が0.28%、0.23%、及び、0.23%下がりました。アミノ酸密度を高 (H)から適切以下(S)に下げると総胸肉重量、及び、歩留まりがそれぞれ47g、及び、0.82%下がりました。総体的には、試験(1)の高・低 (HL)区と試験(2)の高(H)区では、他の飼料処理区の異なる飼料コストと肉価格のシナリオの中で総飼料マージンが増えました。

   試験(1)と(2)のスターター(1日令~17日令)、グローワー(18日令~35日令)、試験(2)の休薬1(36日令~47日令)などの脱皮大豆 ミールの混入割合はそれぞれ約32%、28%、21%と高く、またdL-メチオニンの添加は0.22%、0.17%、0.20%、L-リジンHCLはス ターターについてのみ0.03%です。代謝エネルギー(ME、kcal/kg)は、それぞれ、3,085、3,140、3,220で、粗蛋白質% (CP%)は、それぞれ、22.5、21.0、18.5です。

  試験(2)の高(H)(48日令~60 日令)は、脱皮大豆ミールが約17%、とうもろこしが約73%などから構成され、添加DL-メチオニンは0.17%、L-トレオニンは0.02%です。代 謝エネルギー(ME、kcal/kg)は3,240、粗蛋白質%(CP%)が17.9%です。

  報告の 終わりに研究者が指摘している3点は、(1)高(H)アミノ酸密度飼料を与えられたブロイラーは累積飼料効率を最適にし、アミノ酸密度を下げ低(L)区が 総胸肉重量と歩留まりを減らす傾向にありました。(2)アミノ酸密度が低めの飼料を与えられたブロイラーは飼料摂取を増やし、結果として腹脂肪の歩留まり を増やしました。(3)一般的には経済シナリオ35種類について、アミノ酸密度の高(H)飼料を与えられたブロイラーは総飼料マージンが増えました。

詳 細に関心のある方は米国応用家禽学研究(2007 J. Appl.Poult. Res. 16:331-343)を参照なさることをお勧めします。報告は13ページに及ぶ論文で、飼料・栄養設計、雄雌ブロイラーの成長や屠体成績、飼料マージン 分析などを含めた表9点からなりたっています。

  米国においてもブロイラー産業の傾向は大きめのトリを 出荷するようになってきていますが、3キロ半前後まで太らせるときの推奨摂取アミノ酸量の報告は限られています。また、ブロイラーを大きめに太らせるとき の飼料コストの主なものは5週令から9週令にかけておき、この期間で4キロ半ほどの飼料が摂取されることなどを本報告の研究者グループも指摘していること です。その意味において、この報告は興味深いものです。

  余談ですが、日本でもこのような成績や評価は、直接に現場ですぐに実践できるものではないかもしれませんが、開発や将来に向かっての考え方に幾多の示唆が与えられるものでしょう(瀬良、2007)。

 

 

 

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