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大豆と健康

Soy & Health  ニュースレター (ヨーロッパ発最新情報 new )

SNIJ(大豆機能研究会)

大豆の主な組成分はタンパク 質と油分です。また、大豆には炭水化物、ミネラル、ビタミン類といった価値の高い栄養素が含まれています。最近の研究では、イソフラボン、サポニン等と いった組成分による大豆の健康促進効果が繰り返し報告されています。現在アメリカでは、それぞれの用途に特化した”機能性大豆”の研究開発が活発に行わ れ、さまざまな品種が誕生しています。

 

大豆のパワー

大 豆タンパクには健康を促進する数多くの働きがある。1999年に食品医薬品局(FDA)が大豆タンパクにはコレステロールを下げる効果があることを正式に 認め、その1年後には米国心臓病協会がそれに続いた。FDA認可の健康促進効能書には1日に25グラムの大豆タンパクを摂取すれば心臓病のリスクが軽減さ れる可能性があると謳われている。

大豆が、前立腺癌、大腸癌、乳癌、また骨粗鬆症など骨に関係した健康上の問題のリスクを減らす可能性があることが最近の研究で明らかになっており、大豆タ ンパクが高血圧や閉経時の一部症状を軽減する可能性についても新たな研究が行われている。さらに、2002年10月の米国栄養士会の年次総会で行われた大 豆と乳癌に関するシンポジウムで発表された2つの研究では、乳癌の予防に大豆を摂取するには10代が特に重大な次期であることが指摘された。

大豆食品は高品質のタンパク源である。さらに大豆タンパクを摂取すれば健康が促進されて一部の慢性病の予防と治療を助ける可能性がある。現在、まだ知られていない大豆の健康上の効能を探るために多くの研究が行われている。


イソフラボン 心臓病
閉経と骨粗鬆症
アレルギー 糖尿と腎臓病

■イソフラボン

大豆食品は食品としては最高のイソフラボン源である。一部の病気のリスクを軽減する可能性がある生理学上の効果があるので、この化合物の研究が熱心に行われている。植生化学物質とは、それを摂取する動物や人間に生理学上の影響を与える植物性化合物のことである。

植生化学物質の1つがイソフラボンである。イソフラボンは、量は様々だがマメ科植物に含まれている。ただ、人間の食べ物の中でこれを有意に含んでいるのは大豆だけである。イソフラボンは植生化学物質であり、その化学構造はエストロゲンのそれと似ている。

動 物あるいは人間に摂取されたイソフラボンは弱いエストロゲン様効果を及ぼす。大豆に含まれる2つの主要イソフラボンは、ゲニスティンとダイゼイン、そして それらの配糖体である。実際、殆どのイソフラボンは、ゲニスティンにせよダイゼインにせよ、配糖体の形で大豆の中に存在する。大豆から作られた食品にはそ の加工法に応じて様々な量のイソフラボンが含まれている。

豆腐、豆乳、大豆粉、ソイナッツのような大豆食品には1.3から3.8mg/g、即ち1オンス当たり37から108mgという濃度でイソフラボンが含まれ ている。大豆と穀物を組み合わせた食品では、この濃度はより低くなる。醤油や大豆油にはイソフラボンは殆ど含まれていない。

添加物として使用される分離大豆タンパクや濃縮大豆タンパクのような大豆製品も加工方法によって様々な量のイソフラボンを含んでいる。

疫学の研究で定期的に大豆食品を摂取する集団では、乳癌、大腸がん、前立腺癌の発生が少ないことが明らかになっている。発病が特に少ないのはホルモン依存 性の癌である。この事実から、研究者達は植物性エストロゲンには癌のリスクに対する効能があるのではないかと考えて調査を始めている。

 

■心臓病

大 豆は心臓の健康に良い栄養学上の特性を持っており、心臓病のリスクを軽減すると思われるその他の特質も有している。FDAは大豆タンパクを含む食品のラベ ルに冠状動脈性心臓病(CHD)のリスクを軽減することにおける大豆タンパクの役割について効能を謳うことを許可した。

大豆の健康促進効能表示の基礎となっているのは、FDAが1日に25グラムの大豆タンパクを飽和脂肪とコレステロールが低い食事の一部として摂取すれば、血中コレステロールのレベルを低下させて心臓病のリスクを減らすと判断したことである。

最近の臨床実験でミルクや食肉などの他のタンパク質と比較して大豆タンパク質を摂取するとコレステロール全体とLDLコレステロールのレベルを低下させることが判明した。大豆食品は心臓の健康に配慮した食事にはぴったりの食品である。

 

■閉経と骨粗鬆症

閉経期に起きるホルモンの変化によって様々な症状が出るし、心臓病や骨粗鬆症のリスクが高まる。植物性エストロゲンを含む大豆食品には閉経の悪影響を軽減する効果を期待して研究が行われている。

閉経の前後では女性の体内のエストロゲンレベルが変動する。これによってのぼせ、寝汗、不眠症、膣の乾燥、頭痛など不快な症状が出ることがある。エストロゲンレベルの変化は身体全体に驚くほど多様な影響を与える。

閉 経の悪影響を予防するにはホルモン交換療法(HRT)が施されることが多い。しかしながら、乳癌のリスクが高まる可能性があるのでHRTは受けたくないと いう女性も大勢いる。大豆食品はこのリスクなしにHRTと同じ健康に良い効果を提供できるだろうか。科学者達はまだこれを肯定するに至っていないが、大豆 の健康に良い幾つかの効果を示す証拠が集まってきている。

大豆にはイソフラボン、ゲニスティン、ダイゼインという形で植物性エストロゲンが含まれている。動物や人間がこれを摂取するとエストロゲン性の効果が若干 出ることが知られている。研究者達はイソフラボンには植物性エストロゲンの機能の一部があり、それによって閉経に関連した健康上のリスクを減らせるのでは ないかと、その生理学的効果を研究している。

閉経の比較文化研究では、日本の女性は西欧で良く見られる閉経前後の症状を滅多に訴えないことが明らかになっている。また閉経後の日本の女性は、骨粗鬆症や心臓病の罹患率が少ない上に寿命も長い。

これらの事実から、大豆の摂取と健康の関係を明らかにするための研究に対する興味が高まっている。

 

■癌

「女性肝がん発生にイソフラボン摂取のリスク」に関する論文についてSNIJの見解 SNIJ 代表 渡邊 昌

大 豆食品は癌のリスクを軽減する食事に関するガイドラインを満たすものであり、癌の予防に効果があると思われる抗発癌物質を含んでいる。疫学の研究では、典 型的なアジアの食事を摂る集団では、西欧の食事を摂る集団より乳癌、前立腺癌、大腸癌の発病が少ないことが判明している。アジアの食事はマメ科植物、果 物、野菜を含み、殆どが植物性食品で、脂肪分が少ない。大豆食品を最も多く消費しているのが日本人である。

一方、典型的な西欧の食事には動物性食品が大量に含まれており、繊維や複合炭水化物は少なく、脂肪分が多い。大豆食品は東洋の食事の主原料であるが、西洋 の食事には一般的に含まれていない。日本ではホルモン依存性の癌の発生率が非常に低い。日本の乳癌と前立腺癌の死亡率は米国のそれの約1/4である。

癌の発生率の違いは遺伝的特徴によるものではなく、食事が原因であることを示す証拠がある。人口移動調査で、アジア人が米国に移住して西洋風の食事を摂るようになると最終的にアメリカ人と同じ癌の発生率を示すようになることが判明している。

米国癌学会は、癌のリスクを減らすガイドラインを作成した。ガイドラインでは次が推奨されている:

  • あなたが食べる食物の大部分を植物性食品から選ぶこと
  • 高脂肪食品、特に動物性食品の摂取を制限すること。

大豆食品は健康増進食のガイドラインに沿ったものだ。大豆は高品質のタンパク質を含んでおり、動物性食品の優良な代替物である。大豆食品と大豆製品は驚くほど多様性に富んでおり、様々な食事に簡単に組み込むことができる。

■アレルギー

食物アレルギーは良く見られるものではないにせよ重大な結果を引き起こすこともある。
真性食物アレルギーの罹患率は成人で約1%から2%、子供で5%から8%である。アレルギーの有病率に関してオーストラリアの幼児を対象とした研究では大豆アレルギーの有病率は0.1%だった。

大豆食品はしばしばよりアレルギー性の高い食品である牛乳や卵の代わりになる。しかしながら、大豆アレルギーの人も存在する。大豆アレルギーの人は大豆食 品によっては耐えられるものもあるが、だめなものもある。こういう人にとっては食品ラベルを読むことが、そして成分に詳しくなることが大切である。

子供は数年でアレルギー症ではなくなることが多い。どんな食品でもアレルギーを起こす可能性はあるが、最も良く見られる食品アレルギーは、牛乳、卵、ピーナッツ、そして魚に対するものである。食品アレルギーの最良の処置はアレルギーを起こす食品を完全に避けることである。

これは摂取できない栄養を供給するために代替の食品を見つけなければならないということを意味する。代替食品の特定は年齢の低い子供には特に重要である。 なぜなら彼らは急速に成長し、発達する段階にあるからだ。大豆ベースの乳児用ミルクは牛乳タンパクアレルギーの幼児に1929年から与えられている。

今日の大豆ミルクは消化のよさ、栄養上の特性、飲みやすさの点では牛の調合乳と同等である。大豆調合乳は健康な乳幼児の正常な成長や骨の石化を促進し、栄養状態を良くする。

 

糖尿と腎臓病

大豆食品が糖尿病患者の血糖値のコントロールを助成する証拠が実験で見つかっている。糖尿病の制御に大豆食品を使用することが最初に発見された大豆の健康促進効能の1つであることは興味深い。

大豆は糖尿病の合併症の一部リスクを軽減するのにも役立つ可能性がある。マメ科植物、特に大豆は血糖インデックスが大変低いので糖尿病患者の食事の一部として貴重な食品である。

何 から摂取されたかとは関係なく、食事に含まれる炭水化物の合計量は、患者の推奨制限量の中に納まっている必要がある。血糖値制御も水溶性食物繊維を多く含 む炭水化物を選ぶことで改善できる。研究者の中には食物繊維は食事の中にごく大量に加えられない限り測定できるほどの効果はもたらさないと考える人もい る。

大豆繊維の人間の体内における発酵性は極めて高いので、他の食物繊維よりも生理学的利点が大きい可能性がある。

補 足的に大豆繊維を摂取すれば糖分の吸収を遅らせるのにも役立つ可能性がある。腎臓疾患においては、大豆ベースの食事は、腎障害を減らすために従来行われて きた低タンパク食よりも望ましいかもしれない。大豆は過剰濾過やタンパク尿を促すことなく高品質のタンパクを供給する。また、血清LDLコレステロールの レベルを低くして腎障害の予防に役立つ可能性がある。

糖尿病患者の心臓血管疾患の罹患率は一般の人の2から4倍である。このため、糖尿病患者は心臓の健康のための標準的なアドバイスに従うことが大切である。

糖尿病患者用の食事療法における大豆食品の効能を明らかにするためにはさらなる研究が必要である。

 

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